BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Dyckia ‘Little Wing’ (ディッキア ‘リトル ウィング’) BBY流の育て方 & 生育記録 Vol. 1

Dyckia Little Wing について

特徴

品種名にもあるように、最大の特徴はサイズ感。ただ、うちのはそれなりに大きくなっています。^^; と思ったけど、BCRによれば、成熟個体のロゼット直径は10 cm とのこと。

Mature rosette is 10cm. diameter. 
出典:BCR Bromeliad Cultivar Register>

大きさとしてはこれくらいなのかな?

‘Little Wing’ のサイズ感。うちのは大きいので Little ではない。笑

 

赤い地肌に白い線のような模様ができるのはゴエリンギーの特徴。

葉の表面に白いスジが見える

 

葉の縁にトリコームが載り、白く縁取られるのは ‘Dragon Bone’ から引き継いだものでしょうか。

葉に白いふち取り。イカす!

植物体のサイズが小さいのに、サメの背ビレのように大きい鋸歯がカッコ良いです。

 

Dyckia ‘Little Wing’ の系譜

Dyckia Little Wing の系譜図
参考:BCR Bromeliad Cultivar Register>

種子親、花粉親ともに goehringii(ゴエリンギー)が半分入っているので、見た目がゴエリンギーっぽいのは納得です。‘Dragon Bone’ や ‘Zinfandel’ は BCR 登録品種ではないため、親の特定ができませんでした。

‘Zinfandel (F2)’ の兄弟株には、かの有名な‘Bangkok Star’ がいます。 *1*2*3 きっと‘Little Wing’ に流れている‘Zinfandel (F2)’の血も優秀なのでしょう。

 

 

生育記録 (22年4月~22年9月末まで)

定点撮影をして各月の様子を撮影しました。気温、湿度も記録を取り、成長度合いと環境の相関があるかを調べられるようにしました。

お迎え初日のようす。22年4月20日撮影。
管理カレンダー

生育環境をまとめるとこんな感じでした。

22年4月20日にお迎え。Enfun LED で管理。
4/28 から2時まで陽の当たる場所で管理。
5/22 から一日中陽の当たる場所に移動しました。
※屋外管理の際、雨が続くときなどは室内(植物棚 or 無LED & 無加温)に入れて管理しました。

各管理の詳細はこちら

屋外管理

ベランダの外側に自作の棚を作り、そこで管理しています。エキスパンドメタルを敷き、通気性をあげております。2階なので、風通りは良いかと。

屋外管理で使用している植物棚。

外側につけているので、日当たりも良好。季節にもよりますが、5~17時の間は直射日光が当たります。

 

屋内管理(室内の植物棚)

我が家の植物棚の風景。Dyckia ‘Little Wing’ は右側にいます。

 

 

屋内環境(無LED & 無加温)

部屋が散らかっている時の写真しかないので、載せられませんが、部屋の隅に置いています。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-

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4月末
4月の詳細

4/20 に我が家に来てから1週間は室内で管理。その後、4/28から屋外で管理しました。

2022年4月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

2022年4月の日照時間と1日の合計降水量

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 3 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】70~100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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実は22日に一度外に出しました。14時頃まで日の当たる場所に出しました。中心点付近が赤くなってしまったので、その日のうちに室内に戻しました。

中心点付近が赤くなってしまった。

 

その後、満を辞して28日から再び屋外で管理しました。

ほんの少し成長しました。10日間でもある程度成長しますね。

 

f:id:BambooBornY:20221123200929j:image

5月末
5月の環境詳細

GW中は天気の良い日が多かったです。最低気温が10℃を下回る日が少なくなりました。5/1 ~ 5/21 までは 14時頃まで日の当たる場所で管理しました。22日から一日中陽の当たる場所に移動しました。直射日光に当てる分、室内に取り込む時は LED の光を当てず、休ませることにしました。

2022年5月の環境。日付が水色の日に水やり。

2022年5月の日照時間と1日の合計降水量

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

鋸歯が3つ分ほど成長しました。新たにできた鋸歯はそこまで大きくないですね。

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6月末
6月の環境詳細

22年の梅雨はとても短かったです。6/6 に梅雨入りし、6/27 に明けました。記録的な短さでした。6月も 5月と同様に管理しました。

6月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

6月の日照時間と1日の合計降水量
〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大きな鋸歯が出てきました。

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7月末
7月の環境詳細

中旬まで雨の日が多かったです。戻り梅雨というやつですかねー。20日以降はゴリゴリに晴れました。

7月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

7月の日照時間と1日の合計降水量

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 10 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1500 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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かなりの日差しを当てました。鋸歯は大きいと思いますが、葉の長さが気になるところ。

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8月末
8月の環境詳細

この月も屋外管理。8月は晴れの日が多買ったです。8/17 ~ 20 は旅行に行っていたため、晴れていましたが、室内で管理しました。

8月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

8月の日照時間と1日の合計降水量
〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 10 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1500 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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めちゃめちゃ成長しました。

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9月末
9月の環境詳細

8 月と比較して曇りが多く、中旬以降は雨が多かったですね。

9月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

9月の日照時間と1日の合計降水量
〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 10 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1500 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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この月もガンガン成長しました。

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振り返り

成長を振り返るとこんな感じでした。

左:2022年4月  右:2022年9月

22年4月 ~ 9月の生育まとめ

気になっているのは、思っているよりも「Little」になってないということ。

BCR には「成熟個体の直径は 10 cm 程度」と書かれています。うちの Little Wing も 12 cm 程度なので、変に徒長していないとは思うのですが、、、。BCR に掲載されている写真のものはもっと小さい気がするんですよね。

・・・うーむ、まずいのォ うちの LW 、BCR のより大きくねー?

 

何か育て方などに違いがあるのでしょうか。
このことを考えるのに役立ちそうなのが Dyckia ‘Hotaka’ の生育記録。

うちの Dyckia ‘Hotaka’ 、最近明らかに容姿が変わったんですよ。

特に子株を外して、ひとまわり大きい鉢に植え替えてから、短い葉をつけるようになったんですね。次の段階に移った感じ。

Dyckia ‘Hotaka’
左:植え替え直後 22年5月  右:2022年10月末
10月末の下葉が枯れているの見ると、強光が原因とも思っちゃう笑

 

この容姿の変化、植え替え or 子株外し がトリガーになっている気がしてならないんです。色々考えてみると、

  1. 子株を外したことで
    →親株に栄養が行くようになった?
    →子株が外れること自体が次の段階へのトリガー?
  2. 鉢増しによる根の充実により
    →より高光量にも適応できるようになった?
    →根量の増加が次段階へのトリガー?

この辺りでしょうか。これらの仮説と今回の Little Wing を照らし合わせてみると、鉢増しで顔つきが変わると言うのはしっくりきません。

と言うのも、うちの ‘Little Wing’ は FR 鉢 4号に植わっているんです。
一方、‘Hotaka’ は DA 鉢に植わっています。

FR 鉢 4 号は DA 鉢よりも確実に大きいので、‘Little Wing’ の方が、根が充実しているはずです。高光量で締めて育てれば、短く締まった葉をつけそうなものです。

だがそうはなりませんでした。よって、2. は考えづらい。
※もちろん、品種によって成長の仕方は変わるはずなので、直接的に結びつけるのは乱暴ですけど。

 

つまり、

子株を外す or 年齢を重ねることで、次の段階へと容姿を変える可能性がある

ということが考えられるのではないでしょうか。

このことを検証するためにたくさん芽吹いた子株を収穫して、成長を見てみたいと思います。

実は7つも子株がついている。笑

 

参考

BCR Bromeliad Cultivar Register>

ディッキア・バンコクスター(Dyckia ‘Bangkok Star’ Original Clone) | Dyckia Maniax

Dyckia ‘Bangkok Star’(ディッキア バンコックスター) | ディッキア図鑑 ~牙の巣穴~