鉢底を温め、Dyckia の「こじれ」状態が回復するかを検証しました。あわせて、温めるために使った「ピタリ適温プラス」がどれくらい加温できるかも調べてみました。
鉢を温めようと思ったきっかけ → Dyckia の「こじれ」状態
Dyckia の葉が谷折りになり、葉先が枯れていく症状、いわゆる「こじれ」状態になってまして。ここしばらく頭を悩ませています。
例えばDyckia 'HU-5 × Bill Baker'。
10月から葉が谷折りになり、葉先が枯れていってます。
以下のように原因を仮定し、対策を講じました。
- 原因1. 高光量
→LEDの光量を減らす - 原因2. 低温
→平均温度が 20 ℃ の植物棚に移動 - 原因3. 水やり頻度
→腰水管理で、用土が常に濡れている状態に
しかし、状況は変わりませんでした。泣
これら以外にできる対策はないかと考え、「植物も用土を温めたらいいのでは?」と思うに至りました。人間にも「頭寒足熱」という言葉がありますし、実際、多くの方が実践されていますよね。今まで効果があるのか半信半疑でしたが、試してみようと思ったのでした。
「ピタリ適温プラス」を使ってみる
というわけで、1年ほど前に購入したものの、今まで出番の少なかった、こちらの商品を使うことにしました。
説明文にはこう書かれています。
爬虫類・両生類・小動物に最適。多重安全装置の付いたケージ内温度を最適に保つ夢のヒーターです。
出典:amazon - ピタリ適温プラス1号
自動的に温度を調節してくれること、電気代が安いことが購入の決め手でした。しかし、思ったほど温まらず、使っていませんでした。^^;
それでも、手元にあるのはこれだけなので、使ってみることにしました。
温度の上昇具合を測定してみた
いい機会なので、具体的に何℃上昇したのかを検証することにしました。
大きく2つの検証をしました。
- トレーに張った水がどのくらい温まるか
- 鉢内用土がどのくらい温まるか
1. トレーに張った水かどのくらい温まるか
周囲の温度による影響も調べるため、2つの場所で検証しました。
1-1. 室内(室温10℃)
1-2. 植物棚内(棚内の温度20℃)
【1-1. 室内(室温10℃)】
100均で買ったトレーに500ml の水を入れ、加温前後の温度を測定しました。比較用に、無加温のトレーも用意しました。
結果は、、、
加温したトレーの水は +10 ℃ され、20 ℃ になっていました。
【1-2. 植物棚内(棚内の温度20℃)】
植物棚にある、腰水中 Dyckia のトレー内の水温を測定しました。
結果は、
植物棚内の温度は約 20 ℃ なので、加温前の温度も室内より高かったです。加温後は室内の時と同じく、20 ℃ になっていました。
2. 鉢内用土はどのくらい温まるか
トレー内に水を入れ、その中に
- 水を張ったトレー内にセラアート3寸
- 水を張ったトレー内にFR鉢3号
- 直にセラアート3寸
※ピタリ適温プラスは水濡れ厳禁なので、直置きする際は自己責任でお願いします。
の3条件で温度を測定しました。
用土は赤玉土 小粒 (微粉を取り除き、十分に水を与えたもの)を200ml 使用しました。
測定時は、温度計の緑色の部分が土に埋まるところまで差し込み、5分後の温度を記録しました。
測定中の様子。用土に温度計を挿してから、5分後の値を記録。
結果は、、、
直に置いた方が温まるスピードが早かったですが、6 時間後には、どの鉢も約 20 ℃ で頭打ちになりました。また、セラアートとFR鉢で、温度に差はありませんでした。
検証まとめ
- 上に置いたものを 20 ℃ 程度まで温めてくれる。
- プラ鉢の種類はそこまで関係ない。
- 直に置いたほうが早く温まるが、温度がより高くなるわけではない。
ピタリ適温プラス自体は40℃程度になるらしいので、もっと長時間加温すると、もう少し温度が上がるかもしれません。
実際、植物にとって何度くらいまでの加温が最適なのか分からないので、なんとも言えませんが、これくらいでも意味あるかな?
実際に使ってみた!「こじれ」状態はどうなった?
冒頭で話した「こじれ」状態の Dyckia 達にそのまま使ってみました。
2月20日から鉢を加温しました。
うん、明らかに調子いいですね!
1月末よりもさらに低光量の場所に移動したり、メネデールを与えたりしてたので、鉢の温度だけが「こじれ」改善に影響を与えたとは言いきれませんが、20 ℃ 程度の鉢加温でも、「こじれ状態」改善の一翼を担っている可能性は十分にありそうです。
まとめ
- 「ピタリ適温プラス」は鉢・用土を 20 ℃ 程度に加温 & 保温してくれる。
- 鉢を温めることで、Dyckia の「こじれ状態」を改善できる可能性がある。