BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Dyckia ‘Wasabi’ (ディッキア ‘ワサビ’)BBYの育て方 & 生育記録 Vol. 1

Dyckia 'Wasabi' の生育記録です。

Dyckia 'Wasabi' について

タイの園芸家、Qさんが作出した、BCR登録品種です。最終形態は国際ブロメリア協会のサイトに載っていますので、こちらで確認ください。

 Dyckia に手を出したときからずっと欲しかった品種でした。まず名前がいいですよね。「ワサビ」って。センスの塊です。しびれちゃいます。緑色で幅広の葉がうねっている様子はとっても COOL !!表面には Dyckia marnier - lapostollei ゆずりのウロコ状トリコームが載っています。鋸歯にもトリコームが載っていますが、剥がれたところからは黄色い表面が顔を覗かせています。

Dyckia 'Wasabi' の交配系譜を記しておきます。
ただ、親に使われている 'HU-5' 、'Bill Baker' ともに BCR 未登録品種なため、詳細な系譜を追うことはできませんでした。唯一わかるのは、 'HU-5' が Dyckia marnier - lapostollei の実生選抜であることくらいです。

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Dyckia 'Wasabi' の交配系譜。

生育記録

管理カレンダー

21年10月〜22年3月の管理カレンダー

定点写真は基本的に月末に撮影したものです。各月の詳細は「詳細ボタン」から見ることができます。

10月(お迎え〜発根管理〜植え替えまで)
10月の環境詳細

ネットオークションで落札し、10月7日にベアルートの状態でお迎えしました。友人からのアドバイスで、コーヒーカップ発根管理をしました。

【コーヒーカップ発根管理】

  1. 使用済みのコンビニコーヒー容器を洗ったのち、フタに Dyckia の基部が収まるようにカッターなどで穴をあける。
  2. 枯れて完全に茶色くなっている下葉を取り除き、フレッシュな部分を露出させる。
  3. 容器の中にオキシベロン 200 倍希釈水を入れ、Dyckia の基部が浸かるようにセット。
  4. 約 24 時間後、容器内をメネデール 100 倍希釈水に変え、根が出るまで待つ。メネデール液は1〜2日おきに入れ替える。

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処理後の様子。今回はローソンのコーヒー容器を使いました。

発根を待っている間は、屋内の植物棚で管理していました。

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基部がオキシベロン溶液に浸っている様子。

発根管理を続けて、約三週間後の10月24日。どうなったかというと、

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根が3本出ました!

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そのまま用土に植えつけました。

【用土】

赤玉土 小粒・・・ 1.5
鹿沼土 細粒 ・・・1.5
日向土 細粒・・・1
ゴールデン培養土 ・・・少々

の割合で配合。鉢底石を敷きました。

【使用鉢】

FR鉢 3.5 号 (容量 約 460 mL)

 

発根管理中を含め、屋内の植物棚で管理しました。植え替え後の水やりは、用土に水をかけ、鉢底から出る水は受け皿で貯め、腰水管理のような感じで行いました。

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10月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 AMATERAS LED
【ライトとの距離】 鉢底から 30 cm、中心から 20 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

11月
11月の環境詳細

調子が良さそうだったので、先月よりも少し明るいところに移動させました。それ以外は10月と同様の管理をしました。葉色が多少、黄緑色になり心配でしたが、そのまま見守りました。

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11月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 Vegefarm VEFA46WFJ
【ライトとの距離】 鉢底から 50 cm、中心から 5 ~7 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 200 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

12月
12月の環境詳細

LED ライトを変えました。それ以外は先月と同様の管理を継続。11月よりも温度は安定しましたが、湿度は下がっています。先月まで黄緑色だった葉は緑に戻ってきたように見えます。

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12月の屋内環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 2 にセット
【ライトとの距離】 鉢底から 40 cm、中心から 25 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1月
1月の環境詳細

先月と同様の管理を継続しました。先月に比べ、湿度が5%ほど下がりました。

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1月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 2 にセット
【ライトとの距離】 鉢底から 40 cm、中心から 25 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

葉はさらに緑を取り戻してきた感じがします。そして先月よりトリコームが載ってきた気も。

2月
2月の環境詳細

先月と同様の管理を継続しました。湿度はさらに下がっています。

2022年2月の環境。日付が水色の日に水やり。

 

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 2 にセット
【ライトとの距離】 鉢底から 40 cm、中心から 25 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

湿度はさらに下がりましたが、とても元気です。光量を抑えていたことと、腰水管理のおかげでしょうか。

3月
3月の環境詳細

先月と同様の管理を継続。若干暖かくなってきたからか、湿度も上昇傾向にあります

2022年3月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜〜〜〜室内管理の情報〜〜〜〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 2 にセット
【ライトとの距離】 鉢底から 40 cm、中心から 25 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【その他】卓上扇風機で送風(風は直接当てない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新葉は少し黒みがかっていますが、体調はおおむね良好なように見えます。欲を言えば、もう少しトリコームが載って欲しいですね。

振り返り

左:2021年10月末  右:2022年3月末

約半年で、新たに5枚の葉が完全に展開しました。既に葉が鉢の外に出てしまっています。植え替えタイミングを逃したかな?

21年10月~22年3月 の成長まとめ

何はともあれ、発根管理が問題なくできてまず、一安心。

その後も順調に成長を続けています。ML  (marnier-lapostollei) の血が入っているので、葉先が枯れないか心配でしたが、今のところ心配なさそうです。

今回の成長記録を書いていて思ったことが一つ。湿度についてです。

今まで葉先枯れの原因の一つとして、低湿度を挙げてきました。しかし、他の ML 系の葉先が枯れているにも関わらず、Dyckia 'Wasabi' は枯れていません。となると考えられるのは、

  • 低湿度はそこまで関係ない。あくまでも根が拗れることで、葉先が枯れる。
  • 'Wasabi' はたまたま葉先の枯れが生じにくい品種で、低湿度にも耐えられるだけ。

うーん、結局何もわかりませんね ^^;
観察を続けていこうと思います。

その後の記事はこちら。

bambooborny.hatenablog.com

 

参考

BCR Bromeliad Cultivar Register>