BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Dyckia marnier-lapostollei ‘hirao clone’ (ディッキア マルニエルラポストレイ ‘平尾クローン’) BBY流の育て方&生育記録 Vol. 2

Dyckia marnier-lapostollei ‘hirao clone’ (ディッキア マルニエルラポストレイ ‘平尾クローン’) の生育記録です。Vol.2 は 22年4月 ~ 9月まで。

私のように植物をベランダ or 室内で管理している方は多いと思います。そんな方々と経験を共有できるよう、かなり詳細に生育記録を書いています。後半では気温や光量が葉の形に及ぼす影響についても考察していますので、参考にしていただければ幸いです。

 

 

22年4月~22年9月末までの生育記録

22年3月までの生育記録はこちら。

bambooborny.hatenablog.com

 

管理カレンダー

管理場所は下記図の通り。

22年4月1日 ~ 6月29日は室内で LED を当てて生育。受け皿に水を貯めて腰水のように水やり。
6月30日以降は外管理に。8月5日までは同様に腰水管理。
8月6日から腰水管理卒業。
※屋外管理の際、雨が続くときなどは室内(植物棚 or 無LED & 無加温)に入れて管理しました。

各管理の詳細はこちら

屋外管理

ベランダの外側に自作の棚を作り、そこで管理しています。エキスパンドメタルを敷き、通気性をあげております。2階なので、風通りは良いかと。

屋外管理で使用している植物棚。

外側につけているので、日当たりも良好。季節にもよりますが、5~17時の間は直射日光が当たります。

 

屋内管理(室内の植物棚)

我が家の植物棚風景。

〜〜〜屋内管理(植物棚)の詳細〜〜〜
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【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 3 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】70~100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風

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【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 7 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1000 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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屋内環境(無LED & 無加温)

部屋が散らかっている時の写真しかないので、載せられませんが、部屋の隅に置いています。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-
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では、各月の記録に移ります。

22年4月
22年4月の詳細

パネルヒーターで加温していました。3月よりも湿度が高くなりました。

2022年4月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 3 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】70~100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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あたらに展開している葉は順調に大きくなっています。ですが下葉の枯れは止まりません。湿度上がったとはいえ、まだ最適な環境では無い感じ。

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22年5月末
22年5月の環境詳細

気温が全体的に3℃ほど上がり、湿度も約 60 % と環境的にはいい感じ。

2022年5月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 3 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】70~100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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中心点付近が以前よりも白く見えます。もしや、いい感じか?

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22年6月末
22年6月末の環境詳細

湿度が上がってきたので、6/1 から光量をさらに上げました。そして、6/29 から屋外管理を始めました。

22年6月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】EnFun LED 120 W つまみを 7 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1000 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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6/29 に屋外管理に移行しました。いきなりガンガン直射日光に当てるのは流石にきついと思い、14時ごろまで直射日光が当たる場所で管理しました。

屋外管理の様子

気温・湿度はとてもいい感じだったからか、めちゃめちゃいい感じ。生長点付近の葉はめちゃ幅広で白い!この画像は色合いなどいじってますが、それでも美しい。この時期は本当に Dyckia にとって良いのでしょう。にしても、成長したと思われる部分が白い! 後半で考察してみます。

f:id:BambooBornY:20221026011115j:image

22年7月末
22年7月末の環境詳細

先月同様、14時頃まで直射日光が当たる場所で管理。戻り梅雨のように雨が多かったので、室内に取り込むことも多かったです。直射日光に当てていたので、室内では LED に当てず休ませることにしました。

22年7月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

22年7月の日照時間と降水量

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-
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しっかりと白さを保って成長できています。

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22年8月末
22年8月の環境詳細

本格的に夏が到来したような気候でした。

22年8月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

22年8月の日照時間と降水量

8/6 からいよいよ17時近くまで陽の当たる場所に移動させました。

f:id:BambooBornY:20221031183223j:image

 

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 10 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1500 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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ふと様子を見ると、とても厳つい鋸歯をつけています!

f:id:BambooBornY:20221031183433j:image

直射日光をガンガン当てても特に問題ありませんでした。ただ、葉のふちがゆがんでいる?ようにも見えます。

f:id:BambooBornY:20221026011157j:image

22年9月末
22年9月の環境詳細

8月が晴れすぎた反動か、雨が多かったです。この月も基本的に屋外管理。

22年9月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

22年9月の日照時間と降水量



〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜
【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 10 にセット
【ライトとの距離】高さ 50 cm、中心から 2 ~5 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】約 1500 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】用土表面が乾いたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風
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ゆがんた部分はそのままですが、特に問題なく成長しています。

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成長まとめ

2022年4月と9月の写真を並べてみます。

左:2022年4月  右:2022年9月

4月と比べて、5枚の葉が完全に展開しました。展開中の葉を含めると、新たに合計9枚の葉ができました。葉の白さも申し分なく、かなり満足な半年間でした。

各月の様子をまとめると以下の感じでした。

22年4 ~ 9月の成長の軌跡

6月から成長した部分が白くなったことが特に興味深いですね。

振り返り

この6ヶ月で気になったことを書くコーナーです。

葉が白くなった要因を考える

6月以降に展開した葉はとても白く綺麗でした。まず、4~7月の環境をまとめてみます。

4.5 月と6.7 月の環境比較
参考:植物が光合成に利用可能な光の量の新たな推定法 森林総合研究所 平成28年版 研究成果選集

4.5月と6.7月で明確に気温差は見られません。現地の平均気温は25℃程度なので、気温が高い方が白くなりそうな気はしそうです。

ハッキリと分かれているのは光量です。白い葉を付け始めた6月以降の光量はかなり高くなっています。やはり高光量は葉を白くするのでしょうか?

湿度についてはネットで見ることのできる飽差表で簡易的に比較してみました。

4~7月の飽差。飽差表を使うために、近似値(→で表した数値)を利用している。

飽差に関しては、明確に分かれている訳ではありませんでした。

ここまでを整理すると

  • 平均気温が25℃以上でトリコームが多く載る
  • 光量が高いとトリコームが多く載る
  • 湿度はあまり関係ないかも

となりました。あくまで仮説ですが、今後の生育に役立てていこうと思います。

 

光量や温度の環境が葉に及ぼす影響を推察

「葉ができたときの環境」と「葉のようす」を整理して、環境が葉の形に及ぼす影響を推察してみます。

葉のでき始め〜完全展開した時期を独断で記してみます。

展開した葉をマークアップした画像。
※葉の「でき始め〜完全展開」の時期はBBYのさじ加減で表してます。

 

12~4月にできた葉。傷が付いているやつです。鋸歯の間隔が広く、トリコームもそんなに乗っていない感じ。

 

12~5月にできた葉。こちらも12~4月とさほど変わらず。

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12~6月にできた葉。途中から鋸歯が寝ている?感じになっています。先端〜中央付近まではトリコームが薄く、地の緑が見えています。

f:id:BambooBornY:20221101020436j:image

 

2~7月にできた葉。こちらも12~6月と似ているが、株元付近の鋸歯は寝ておらず、チョビチョビしている印象。この葉も先端付近で緑が見えます。

f:id:BambooBornY:20221101020443j:image

 

4~8月にできた葉。今までと違い、明らかに鋸歯が大きい。トリコームもがっしり載っています。

f:id:BambooBornY:20221101020440j:image

 

4~9月にできた葉。鋸歯がめちゃめちゃでかい!白さもGOOD!!中心付近 左側が少し内側にゆがんでいます。

f:id:BambooBornY:20221101020446j:image

 

6~9月にできた葉。こちらもめちゃでか鋸歯。トリコームも良い。葉の中央右側が内側にゆがんでいます。

f:id:BambooBornY:20221101020427j:image

 

振り返ってみて思うのは、

日差し&気温が高いと
  • 鋸歯が大きくなる
  • 鋸歯の間隔が狭くなる

 

ということです。Dyckia を育てる時によく言われることですが、本当にその通りなのだと実感!

あと、何と無く気になった葉のゆがみ?現象。8月に成長した部分で見られます。もしかしたら、かなりの高光量で生じているのかもしれません。まだ、断定はできませんが、今後も注目したいところです。

ともあれ、元気に育ってくれているので満足です(^^)

参考

植物が光合成に利用可能な光の量の新たな推定法 森林総合研究所 平成28年版 研究成果選集