Dyckia marnier-lapostollei ‘hirao clone’ (ディッキア マルニエルラポストレイ ‘平尾クローン’) の生育記録です。Vol.1 は 21年12月 ~ 22年3月まで。
私のように植物をベランダ or 室内で管理している方は多いと思います。そんな方々と経験を共有できるよう、かなり詳細に生育記録を書いています。Dyckia marnier-lapostollei の自生地とその環境についてもまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。
- Dyckia marnier-lapostollei ‘hirao clone’ について
- Dyckia marnier-lapostollei の生育方針
- 21年3月~22年6月末までの生育記録
- 成長まとめ
- 振り返り
- その後
- 参考
Dyckia marnier-lapostollei ‘hirao clone’ について
特徴
Dyckia 原種の中でも有名な marnier-lapostollei 。この平尾クローン(hirao clone)は初めて日本に導入されたものだそうです。*1
今では様々な個体が出回っており、とても白いものなどもありますが、まさに原種っぽい趣きがあります。
葉幅は広く、ウォーターマークがはっきり見え、非常に COOL !
少し拡大してみるとトリコームがびっしり。
自生地
GBIFによれば、ブラジルの首都、ブラジリア周辺に自生しているようです。
出典:Dyckia marnier-lapostollei L.B.Sm.
自生地近くで、地面の色が似ている所(上地図のピンクピン)をストリートビューで見てみます。
おそらくこんな感じのところに自生していると思われます。周りには低木やイネ科?らしき植物がたくさん。GBIFに掲載されている写真でも周りにイネ科らしき植物がたくさん生えていました。
自生地の気候
ブラジリアの気温・降水量は以下の通りで、
乾季 → 5 ~8 月、雨季 → 10 ~ 4 月
という感じ。乾季と雨季の気温差が小さい!
乾季でもそれほど寒くなく、平均最低気温が 15 ℃ 近くあります。比較のために東京の気温と降水量も載せておきます。
気温だけ見れば、
10 ~ 4 月(雨季)≒ 日本の 6, 7, 9 月
5 ~ 8 月(乾季) ≒ 日本の 5, 10 月
です。
日本の8月はブラジルの雨季より暑く、11 ~ 4 月はブラジルの乾季よりも寒いことになります。
Dyckia marnier-lapostollei の生育方針
割と繊細なイメージの marnier-lapostollei 。
(我が家にいる他の ml 系は見事に拗れまくってます。泣)
色々と調べたので、気をつけたいポイントを列挙しようと思います。
気温
気温の高い場所で管理した方が良さそうです。できればビニールハウス。自生地の環境を見る限り、最低気温が15℃を下回らないように注意しながら管理した方が良さそうです。
光量
他のhybrid Dyckia と違い、高光量で厳しく育てようとするとこじれる印象があります。最近思うのは、気温と受容できる光量は比例関係かもということです。
極端な話、気温が高ければ、直射日光でも耐えてくれるし、気温が低ければ少しの光量で体調を崩すかも、ってことです。
※実際には綺麗な比例関係ではないかもしれないし、株サイズ、根の張り具合、水やり頻度なども関わっているはずです。
この理論で考えれば、6 ~ 9 月は直射日光など高光量で生育させ、10 ~ 5 月は室内で管理した方が良いことになります。
では、それぞれの時期で、体調を崩さないギリギリの高光量はどれくらいでしょうか?こればかりは経験が必要ですね。
SNS で育て上手さん達の投稿を見る限り、室内管理する際の光量は
PPFD 値 = 100 μmol m-2s-1
程度が良さそうです。これを基準として、気温に応じて光量を変えてみようかな。
21年3月~22年6月末までの生育記録
21/12/05 にお迎えしました。
管理カレンダー
生育環境をまとめるとこんな感じでした。
21年12月 ~ 22年3月末は室内で LED を当てて生育。
用土に向けて灌水し、底からでた水を受け皿で溜め、腰水のように管理しました。
21年12月
22年1月
22年2月
3月末
成長まとめ
振り返るとこのような感じ。
各月の様子をまとめると以下のようになりました。
お迎え当初に展開しかけていた葉(右側の傷が付いている葉)が完全に展開しました。やはり湿度が低かったからか成長スピードは速くなかったように思います。
振り返り
腰水管理とはいえ、かなりの低湿度下での室内管理だったので、かなり苦しそうです。そんな中でも新しい葉を展開させてくれた hirao clone には感謝しかありません。光量を高くしていたらもっと悲惨な結果になっていたかも、と思うとゾッとします。
気温と鉢内温度
21年の冬はパネルヒーターで気温を高めて管理しましたが、下葉が枯れ始めてしまい調子が良いとは言えない感じでした。
気温を高めることもそれなりに効果はあるのでしょうが、鉢温度を高めることも重要な気がしています。
bambooborny.hatenablog.com今年の冬は鉢温度も考慮して対策しようかなと思ってます。
腰水すれば高光量に耐えられるか
今回、ずーっと腰水のような管理をしていましたが、高光量は受容できなかったと思います。順調に成長させるためには、水分だけを十分に与えるだけではダメですね。
水を十分に与えても高光量は受容できない。
その他の条件(温度・湿度など)を改善させる必要がある。
その後
その後の記事はこちら。
参考
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*1:出店者さん談