BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

紫外線がアガベをかっこよくする?~自生地の環境も含め考察してみた~

前回の記事で紫外線の光形態形成について書きました。
その中で、紫外線がアガベをかっこ良い姿にする可能性について軽く言及しました。

そこで今回は、アガベが自生しているメキシコの環境&紫外線量について調べ直し、アガベをかっこよく育てるにはどうすればいいのか、もう少し掘り下げて書いていくことにします。

ちなみにうちのアガベです。

ちょっと前まではボールタイプにできたらいいなと思ってましたが、これはこれでアリだと思ってます(^_^) この子をもっとかっこよくするために頑張るぞ!
では、本文に移りまーす。

アガベの自生地 メキシコの環境~気温と降水量~

アガベの自生地といえば、メキシコ。自生地の様子が掲載されている本(植物おじ本4)に掲載されている Agave oteroiオアハカとテワカンの間。その周辺で気候データが掲載されている、ワフアパンデレオンという場所のデータをまとめてみました。

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メキシコの気温・降水量

メキシコの気候は、4月〜11月は気温が高く、降水量も多い。一方、11月〜3月では降水量がほとんどなく、最低気温も0℃ギリギリの日もあります。ただ、年間を通して最高気温が高く、昼夜の寒暖差が大きい!
11月〜3月の時期(日本でいう冬の時期)でも最高気温は30℃を超える日がしばしばみられます。でも最低気温は一桁台。
例えば、上のグラフの一番右、2021年1月1日の記録は、
最高気温=27℃
最低気温=1.6℃
気温差=25.4℃!!!

この差は凄いっすね。

ちなみに、日本の気温差の平均は
日本の気温差の平均 = 6.28℃
(私は千葉県在住なので、代表で銚子の2021/2/24から6ヶ月前までのデータを使用。)
一方メキシコの気温差の平均は
メキシコの気温差の平均 = 18.1℃
(ワフアパンデレオンの2020年のデータを使用。)

こんなに違うとは!?
気温の高さや降水量もさることながら、昼夜の気温差が大きいというのはBBY的に大きな発見でした。
さて、気候の違いはここらへんにしておき、この記事のメイン、紫外線量をみていきましょう。

アガベの自生地 メキシコの環境~紫外線量~

前回の記事でも書きましたが、紫外線にはアガベをバッキバキの姿にする可能性があります!前回の記事で紹介した紫外線 (UV-B)の光形態形成をもう一度載せます。

UV-B照射による一般的な光形態形成は

 

UV-Bの光形態形成
  • 葉の分厚さの増加
  • 葉の長さ・幅の減少
  • 葉が丸まる
  • 脇芽の伸長
  • 胚軸や幹の伸長阻害

 

対して、アガベの理想の形というと、

Agaveの理想の形
  • 肉厚の葉
  • 葉が伸びすぎない
  • ボール状のシルエット
  • ゴリゴリにイカつい鋸歯

こう書いてみると、UV-B の光形態形成でかなり理想に近づける気がしませんか?
「自生地のアガベがかっこいいのは紫外線が関係しているのでは?」と、BBYは考えたわけです。
そこで、メキシコの紫外線量を調べてみました!アガベをかっこ良く育てている台湾も、ついでに調べました。
参考にしたのはこの報告書。

第3部 太陽紫外線の状況 - 環境省 p.107

https://www.env.go.jp/earth/report/h21-02/3-1_chapter3.pdf

この報告書では、UVインデックスという単位が使われています。これがわかりにくいんすよねー。
どうやら、人間への影響を考慮して計算された値らしい。

気象庁|UVインデックスを求めるにはをみると、UV-Aは人体への相対影響度がほぼゼロです。つまり、

UVインデックス値=UV-Bの強さの指標

と考えても差し支えなさそうですな。

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出典:第3部 太陽紫外線の状況 - 環境省 p.107

このデータで、日本とメキシコ(台湾も)のUVインデックスを比較してみると、
【7月】
   日  本  ・・・9 ~ 11
メキシコ・・・12 ~14
台湾・・・11 ~ 12
【10月】
   日  本  ・・・3 ~ 7
メキシコ・・・9 ~11
台湾・・・8 ~ 9

はい。明らかに紫外線量が違います。様々な要因が関与していると思いますが、紫外線がアガベをイケメンのシルエットにしている可能性は充分に考えられますね。

アガベをイケメンにする環境を考える

ここまで、メキシコの気候や、紫外線量について書いてきました。これらのデータをもとに、アガベをイケメンに仕立てるにはどのような環境を用意すればいいのか考察してみます。

※Bizzale plants 1年目の初心者が書いているので、参考にする際は自己責任でお願いします。ほぼ自分に向けて書いています。笑

  1. 紫外線を確保するために、できる限り外で育てる。
    日本では4月 ~ 10月の間、晴れていれば紫外線量(UV-B)が 1W/m2 を超えます。1W/m2という値は、前回の記事で私が考察した、紫外線の光形態形成を引き起こす線量です。UV-B確保のため、できる限り日光で育てます。もちろん直射日光です!
    11月 ~ 3月でもそれは変わりません。アガベは寒さにも強い植物です。アガベ図鑑というサイトに耐寒温度が示されているので、それを参考にできる限り外で管理します。
    私は安全を考慮して耐寒温度の+10℃で外に出すことにします。
  2.  水やりは4月 ~ 10月の間だけ
    水やりをすると、アガベは成長します。水やりは、紫外線の恩恵を受ける4月 ~ 10月の間だけにします。
    11月 ~ 3月は水やりを控えます。この時期に水をあげると、冷害やら根腐れやら良く無いことが起きそうなので。紫外線量も1W/m2を下回ることがほとんどなので、なおさらです。
  3. 気温差を作る
    メキシコは最高気温と最低気温の差が激しい。自生地に習うなら、昼と夜の温度差を作ってあげたほうが良さそうです。メキシコと比べると、日本は温度差が少ない!夏場なんかはあえてエアコンの効いた涼しい室内に取り込むのもいいかもしれません。

まとめ

  • メキシコの気候は昼と夜の寒暖差が激しく、3 ~ 11月はほとんど雨が降らない。
  • メキシコの紫外線量は日本に比べてかなり高い。高い紫外線量がアガベをかっこよくしているのかもしれない。
  • アガベをかっこよく育てるためには、自生地に近い環境を用意するといい。

参考

【Web】

 気象庁、世界の天候

第3部 太陽紫外線の状況 - 環境省 p.107

https://www.env.go.jp/earth/report/h21-02/3-1_chapter3.pdf

気象庁|UVインデックスを求めるには