Othonna herrei について
種の特徴
キク科オトンナ属の低木(灌木)で、最も特徴的なのはごつごつとした幹です。第一印象は「グラビモスみたい」でした。
(モンスターハンターシリーズに出てくる岩石竜のモンスターなのですが、似てませんか?(笑)尻尾とか首なんか特に。)
この「ゴツゴツ」、新しい葉の元にあり、成長と共に大きくなります。
落葉したらゴツゴツの成長が止まってしまう、なんてことはないです。写真のように、その後もきちんと大きくなっていきます。
円~楕円形で基部が大きくくびれる葉を付けます。
葉の色は白みがかった緑色で美しいです。葉脈が暗い赤~紫色でかっこよい!
素敵なオトンナです。
自生地の紹介と光量の検討
Othonna herrei は南アフリカ北西部、ナミビアとの国境付近に多く分布しているようです。
ピンクのピンで示した場所でストリートビューできたので、見てみると
幹だけでなく、自生地までもゴツゴツ。かなり過酷な環境であることが伺えます。日差しを遮るものがないので、直射日光で管理しても大丈夫そうです。(発芽してすぐの場合や、長期間弱光下で管理していた場合を除く。)
LED で管理する場合は 400 μmol m-2s-1 以上あった方ががっちりと育ってくれそうです。
自生地の日差しの強さを見てみましょう。下図は2008年の7・10月の世界の UVインデックス強度を示したものです。紫外線の強さが分かれば、日差しの強さも何となくイメージできるかと。
UVインデックスというのは、紫外線の強さを人体に及ぼす影響という観点から数値化したもので、値が大きいほど紫外線が強いです。
上地図から日本と O. herrei の自生地付近を抜き出し、UVインデックスを比較してみます。
ここから、
ということがわかります。
O. herrei が元気に成長するのは雨季なので、日本で管理する際は、冬の日差しが適していると考えられます。
また、日本の夏の日差しは現地での乾季、すなわち休眠期の日差しの強さに相当します。
そのせいか、複数のサイトで「夏の直射日光は良くない」との記載が。
Othonnas tend to be fairly hardy … In summer protect plants from direct sunlight.
(Othonna 属は頑丈なものが多いです … 夏には、直射日光から植物を守ります。)
出典:
http://www.africansucculents.eu/informations/othonna.html
How to Grow and Care for Othonna | World of Succulents
(文章が完全に一致しているところがあります。どっちかコピペした?笑)
ですが、私は夏でも直射日光に当てています。(植物の様子を見ながらですが、、、)
休眠を誘導させるためです。日本の夏は湿度が高いので、日陰に置いた方が良いと言われたりしますが、私は気にせず日向に置いています。
自生地の気候から生育温度の検討
まずは「スプリングボック」(上記地図の緑ピン)のデータをもとに自生地付近の気候をまとめていきます。まずは 2020 年の月統計値。
このグラフを見ると、
4月〜9月 (雨季)→ 気温低、降水量多
10月〜3月(乾季)→ 気温高、降水量少
ということがわかります。耐えられる高 or 低温を知るため、日別値を見てみます。
見づらくてすいません。^^; 必要な情報をまとめてみます。
これらのデータから
- 最低気温 は 0 ℃ までなら耐えられそう
- 最高気温は 35 ℃ までなら耐えられそう
ということが予測できます。夏はともかく、日本の厳冬期は室内に取り込む or 加温するなど対策が必要そうです。
自生地の気候から水やり頻度の検討
自生地から察するに、かなり乾燥に強そうです。
成長期(ここでは葉が茂っている時期とします。)には、表面の用土が乾いてから 2 ~ 3 日後に水やりをしています。
休眠期(落葉している時期とします。)は、基本的に水を与えないようにしようと思います。
In the warmer months, Othonnas go into their dormancy period. Stop watering, place them in a shaded, cooler area, away from getting direct sunlight, relatively dry and with good air circulation.
(暖かい時期になると、Othonna 属は休眠期に入ります。水やりをやめ、日陰の涼しいところで、直射日光を避け、比較的乾燥しており、空気循環があるところにおいてください。)
ではでは、次項から生育記録を書いていきます。
お迎え時〜2021年2月末までの生育記録
お迎えした2020年8月から2021年2月までは、細かい記録を取っていないので、ダイジェストでお送りします。
21年3月~22年6月末までの生育記録
2021年3月から、定点撮影をして1月ごとの様子を撮影しました。気温、湿度も記録を取り、成長度合いと環境の相関があるかを調べられるようにしました。
管理カレンダー
生育環境をまとめるとこんな感じでした。
21年3月 ~ 7月20日の間、屋外で管理。
7/21 から屋内の植物棚で管理。
※屋外管理の際、雨が続くときなどは室内(植物棚 or 無LED & 無加温)に入れて管理しました。
3月末
4月末
5月末
6月末
7月末
8月末
9月末
振り返り
この7ヶ月の成長について振り返ります。
成長の仕方について
2021年3月末と9月末を比べてみると
落葉しただけで幹の成長はほとんど見られませんでした。(>_<)
各月末のようすをまとめるとこのような感じでした。
3月末時点で、すでに休眠モードになっていたのでしょう。現段階では考察できることがあまりないです、、、。今後に期待ですね。
その後の記事