幹をぷっくり太らせようシリーズ第3弾。
今回のテーマは光強度が植物の形態にどのような変化をもたらすのか?です。
今回はサラっといきますよー。
今回紹介する論文のデザイン
今回紹介する論文は「The Influence of Light Intensity and Leaf Movement on Photosynthesis Characteristics and Carbon Balance of Soybean」というもの。
筆者らはPPFD値が100 ~ 500 μmol m-2s-1の光強度の異なるライトで大豆を育て、形態の変化、光合成速度、クロロフィル含量などを測定しました。
実験環境を簡単にまとめておくと、
- ある程度成長するまでは同一の光強度で生育させた。
- その後、PPFD値の異なるLEDライトを用いて生育の変化を観察。
- LEDライト照射時間は10時間。
- 使用したLEDライトの波長分布は、600 nm 付近にピークのあるフルスペクトル型。
- 日中気温=25 ℃、夜間気温=20℃
この論文、色々調べているのですが、今回着目するのは、植物の背丈と幹の太さ。背丈が低く、幹が太い方がぷっくり太って見えますからね。
結果は
400 ~ 500 μmol m-2s-1の時、背丈は低く、幹は太くなった。
一部、論文のデータを抜粋します。
The Influence of Light Intensity and Leaf Movement on Photosynthesis Characteristics and Carbon Balance of Soybean (L, Feng. et al.,2019) より抜粋。
まあなんとなくそんな気はしましたけど、実際に測定してくれると説得力があります。
ちなみに、400と500 μmol m-2s-1を比べてみても、ほとんど差はありませんでした。
今回紹介した論文はダイズを使っていたので、他の植物にそのまま当てはまるわけではありませんが、参考にはなりそうです。
私が育てている植物は、いわゆるビザールプランツと呼ばれるもので、基本的に高い光強度を要求するものが多いように思います。おそらく、今回の実験で使われていたダイズよりも高い光強度を要求することが考えられます。PPFD値:400 ~ 500 μmol m-2s-1というのは、最低限の光強度と考えた方がいいかもしれません。
まとめ
- 光強度を高めると、背丈が低く、幹太の植物になる。
- 潅木を太らせるには、PPFD値=400 ~ 500 μmol m-2s-1程度は必要かも。
とりあえず今回で太らせるシリーズを終わりにします。また良い情報を仕入れたら随時更新します。
【2021.12.09 追記】
本考察の検証を行った記事を書きましたので、よろしければどうぞ。
参考
【論文】
The Influence of Light Intensity and Leaf Movement on Photosynthesis Characteristics and Carbon Balance of Soybean (L, Feng. et al.,2019)