BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Othonna clavifolia BBY流の育て方&生育記録 Vol. 2

Othonna clavifolia(オトンナ クラビフォリア)の生育記録です。

 

21年10月~22年3月末までの生育記録

21年9月までの生育記録はこちら。

bambooborny.hatenablog.com

管理カレンダー

生育環境をまとめるとこんな感じでした。

21年10月 ~ 12月5日までは、室外で管理。

霜対策として、12/6から室内の植物棚に移行。
植物棚に移行後、葉が真っ赤になったので、様子を見つつ光量を減らしました。
22年2月下旬から日中のみ屋外で管理。

3月14日から終日屋外管理にしました。

※屋外管理の際、雨が続くときなどは室内(植物棚 or 無LED & 無加温)に入れて管理しました。

各管理の詳細はこちら

屋外管理

ベランダの外側に自作の棚を作り、そこで管理しています。エキスパンドメタルを敷き、通気性をあげております。2階なので、風通りは良いかと。

屋外管理で使用している植物棚。

外側につけているので、日当たりも良好。季節にもよりますが、5~17時の間は直射日光が当たります。

 

屋内管理(室内の植物棚)

我が家の植物棚の風景。

〜〜〜屋内管理(植物棚)の詳細〜〜〜

【使用LEDライト】 AMATERAS LED 20W
【ライトとの距離】 鉢下から 40 cm、ほぼ中心
【PPFD 値(推定)】 400 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風

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屋内環境(無LED & 無加温)

部屋が散らかっている時の写真しかないので、載せられませんが、部屋の隅に置いています。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 窓から入る木漏れ日
【ライトとの距離】 -
【PPFD 値(推定)】 -
【光照射時間】-
【水やり方法】-
【その他】-

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では、各月の記録に移ります。

10月末
10月の詳細

屋外管理。雨の日は少なかったですね。下旬からガクッと気温が下がりました。

10月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

10月の日照時間と1日の合計降水量


夏に赤くなっていた葉は黄色、新葉は緑色とハッキリ区別できるようになりました。

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11月末
11月末の環境詳細

この月も屋外管理。最低気温が徐々に下がっていきました。この月も雨が少なかったですね。

11月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

11月の日照時間と1日の合計降水量

〜〜〜その他の環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 AMATERAS LED 20W
【ライトとの距離】 鉢下から 40 cm、ほぼ中心
【PPFD 値(推定)】 400 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風

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黄色くなった葉はしぼみ、緑の葉が目立つようになりました。そして花芽が凄まじい!

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12月末
12月末の環境詳細

気温が下がってきたので、12/6 から屋内の植物棚に移動しました。屋内植物棚での使用ライトは EnFun LED 120W 。

12月の環境。日付が水色の日に水やり。

12月の日照時間と1日の合計降水量

 

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 5 にセット
【ライトとの距離】 鉢から 100 cm、中心から2~3 cm ほどズレた所
【PPFD 値(推定)】 900 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風、パネルヒーターで加温

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葉が真っ赤に。植物棚の環境に何か原因があるのでしょう。

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2022年1月末
2022年1月末の環境詳細

この月も屋内管理。パネルヒーターのおかげで温度は安定していますが、湿度がとても低いです。

2022年1月の環境。日付が水色の日に水やり。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 5 にセット
【ライトとの距離】 鉢下から 40 cm、ほぼ中心
  → 1/20 以降・・・鉢下から 60 cm、中心から約 15 cm
【PPFD 値(推定)】 900 μmol m-2s-1
  → 1/20 以降・・・約 140 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風、パネルヒーターで加温

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あまりにも葉が赤かったので、1/20から光量が弱くなるように位置を変えました。

そのおかげか、葉の赤みは和らぎました。

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2月末
2月の環境詳細

2/25まで室内管理。2/26から日中のみ屋外管理に移行しました。

2022年2月の環境。日付が水色の日に水やり。

2022年2月の日照時間と1日の合計降水量

2/6 に EnFun LED のつまみを2に変更し、さらに光量を弱めました。

〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 5 にセット
  → 2/6 以降・・・つまみを2にセット
【ライトとの距離】 鉢下から 60 cm、中心から約 15 cm
【PPFD 値(推定)】 140 μmol m-2s-1
  → 2/6 以降・・・約 70 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風、パネルヒーターで加温

 

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先月と大きく変わりません。1月末にあったツボミは枯れました。

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3月末
3月の環境詳細

3/13までは日中のみ屋外、3/14からは終日屋外で管理しました。

2022年3月の環境。日付が水色の日に水やり、もしくは雨ざらし。緑色の網掛けは室内管理している日。

2022年3月の日照時間と降水量


〜〜〜その他の屋内環境情報〜〜〜

【使用LEDライト】 AMATERAS LED 20W
【ライトとの距離】 鉢下から 40 cm、中心から約 10 cm
【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1
【光照射時間】14時間 / 日
【水やり方法】幹が少し凹んできたら、鉢底から水が出るまで灌水
【その他】卓上扇風機で送風

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3月中に枯れたつぼみを取り除いたので、スッキリしています。そしてまた新たなつぼみが。先月まで少し青っぽかった葉が緑色に戻ってきました。

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成長まとめ

2021年10月と2022年3月の写真を並べてみます。

2021年10月(左) 2022年3月(右)

幹上部のくびれ部分が太くなりました。また、枝がヨコ方向に伸びたように思います。

成長の軌跡はこんな感じ。

2021年10月 ~ 2022年3月 成長の軌跡

12月に葉が赤くなったことが印象的です。

幹肥大率はこんな感じで、

2021年10月〜2022年3月 幹肥大率

10月 ~ 2022年3月で、赤線部分の肥大はほとんど見られませんでした。

振り返り

この6ヶ月で気になったことは

  • 幹肥大がみられなかった
  • 植物棚で管理中、葉が赤くなった

の2つ。少し掘り下げて考えてみます。

幹肥大が見られない件

幹肥大率で示した通り、この半年間、幹の肥大があまり見られませんでした。

考えられる要因は2つ。

  1. 屋内植物棚に何らかの原因があり、思うように育つことが出来なかった
  2. 鉢サイズが小さくなってしまった

1.に関して。
12月に葉が赤くなってしまったことは、ストレスを感じている証拠です。その後も光量を減らす事で、葉の赤みは消えました。
しかし、光量を減らしたということは成長量も減るということです。何とか原因を見つけ出し、対応したいところです。

2.に関して。
そもそも7月以降、幹の肥大が見られません。沢山成長したことにより、鉢が小さくなってしまったのかもしれません。

 

葉が赤くなる理由の探索~環境比較から考える~

順調に成長していた2021年3月と葉の赤くなった12月の環境を比較してみます。

3月と比べ12月は

  1. 平均気温が高い
  2. 湿度が低い

です。さらに太陽光とLEDの違いにより、

  1. 波長
  2. 光量
  3. 日照時間

が異なります。以上5点の中に、葉を赤くする原因があると思われます。

全てに言及すると、長くなってしまうので、可能性が高そうな、

  • 平均気温が高い
  • 光量

についてのみ深掘りしようと思います。

「平均気温が高い」について。
3月→約15℃、12月→約20℃ と5℃ もの差が!

ここからは完全な仮説ですが、

「高気温で葉が赤くなる」仮説

平均気温が20℃以上だと生命活動が鈍る

高光量を対処できなくなる

葉が赤くなる

 

こんな可能性もあるかと。

さらに12月の環境は最高気温23℃、最低気温20℃と差が小さいです。

つまりこの温度帯ではすでに生命活動が盛んではない可能性があります。

図にするとこんな感じです。どうですかねー。

O.clavifolia の最適温度(仮説)の図。
15℃で生命活動は最大になり、それ以上だと下がっていく。

ただこの場合、「赤い色素を合成する」という生命活動も鈍るはず。そう考えると温度ではないのかも。^^;

 

「光量」について。

冬の日光と今回使用した LED の比較
参考:植物が光合成に利用可能な光の量の新たな推定法 森林総合研究所 平成28年 研究成果選集

冬における太陽光の PPFD は最大で約 800 μmol m-2s-1 で、朝夕はそれよりも低くなります。日照時間は約 10 時間。

それに対し、今回使用した LED のPPFD は約 900 μmol m-2s-1 で日照時間は14時間。

比べてみると、室内ではかなりの高光量を与えていたことになります。

これが原因で葉が赤くなったというのはあり得る話ではないでしょうか。とりあえず、今年の冬は光量を落として管理してみようと思います。


参考

植物が光合成に利用可能な光の量の新たな推定法 森林総合研究所 平成28年版 研究成果選集