Pachypodium rosulatum ssp. makayense の生育記録です。
- Pachypodium rosulatum subsp. makayense について
- Pachypodium 属の生育方針
- お迎え時〜2月末までの生育記録
- 21年3月~22年6月末までの生育記録
- 参考
Pachypodium rosulatum subsp. makayense について
キョウチクトウ科パキポディウム属の植物です。2004年に発見された比較的新しい種のようです。
発見された当初は『Pachypodium makayense』と名付けられましたが、現在は 『Pachypodium rosulatum ssp. makayense 』とされています。*1遺伝的な系統分類でいうと、cactipes や gracilius と近縁のようです。
特徴
幹の色は少し茶色っぽい感じでしょうか。写真右のイノピナツムよりも茶色く見えます。
トゲは長く、赤茶色をしています。
gracilius や inopinatum よりも幅の広い葉をつけます。
大きな特徴として、黄色い花の筒部分に白い輪の模様が入るようです。私はまだ見たことがないので、開花が楽しみです。*2
自生地
マダガスカルの少し南、マケイ(makay)という峡谷の小さい山で見つかったそうです。
オレンジのピン=名前の由来になった『makay』
青のピン=GBIFに記載されていた自生地*3
過去の気象データに makay 付近のものがありませんでした。少し離れていますが、マダガスカル南部「RANOHIRA」のデータを載せておきます。
Pachypodium 属の生育方針
BBYが考えるパキポディウム系の生育方針は
- 高光量で生育する
パキポディウムをぷっくり太らせるには第3弾:〜光強度は高い方が良さそう〜 - BBYの観葉植物 Discussion Note
- 風を当てて、幹の肥大を目指す
パキポディウムをぷっくり太らせるには 第2弾:接触刺激 〜ユガッタゴールデンタッチ〜 - BBYの観葉植物 Discussion Note
- 長日条件で生育する
- 肥料はなるべく与えない
枝分かれを減らすには~腹に括った”1本の枝”にゃ敵わねぇこともある…~ - BBYの観葉植物 Discussion Note
です。上の2つは幹を太くするための方針。 下の2つは基部の枝分かれを防ぐための方針です。我が家のグラキリスは特に基部の枝分かれが多く、これ以上枝分かれをしないように気をつけて生育しています。
お迎え時〜2月末までの生育記録
2020年8月9日に、千葉県の大手ナーセリーから実生苗を購入しました。
小さくて可愛いですね。
お迎えした2020年8月から2021年2月までは、細かい記録を取っていないので、ダイジェストでお送りします。
21年3月~22年6月末までの生育記録
2021年3月から、定点撮影をして1月ごとの様子を撮影しました。気温、湿度も記録を取り、成長度合いと環境の相関があるかを調べられるようにしました。
成長まとめと幹の肥大率
2020年冬に 室内で LED 管理していたからか、2021年 春になっても目覚めませんでした。結局目覚めたのは8月。
しかも、10月頃から紅葉・落葉が始まってしまいました。原因は送風でしょうか。その後新しい葉を出しては落とし、出しては落としを繰り返し、2022年1月に完全に休眠しました。
そして、再び目覚めたのは5月。
さて、気になる幹肥大率。赤い線の長さを測定し、どのくらい太ったかを調べました。
休眠が続いていた3月〜7月末までは幹が細くなっています。
目覚めた8月からは一気に幹が成長し始めました。10月に落葉と新葉の展開を繰り返しながら、12月までは幹が肥大しています。
そして興味深いことに、完全に休眠してからも幹の肥大は続きました。マカイエンセは太りやすい種なのでしょうか。
3月末
4月末
5月末
6月末
7月末
8月末
9月末
10月末
11月末
12月末
2022年1月末
2月末
3月末
4月末
5月末
6月末
参考
【論文】
Phylogeny of the plant genus Pachypodium(Apocynaceae) (Dylan O. Burge et al., 2013)