BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Pachypodium rosulatum ssp. makayense (パキポディウム マカイエンセ)BBY 流の育て方&生育記録 Vol. 1

Pachypodium rosulatum ssp. makayense の生育記録です。

 

  •  Pachypodium rosulatum subsp. makayense について
    • 特徴
    • 自生地
  • Pachypodium 属の生育方針
  • お迎え時〜2月末までの生育記録
  • 21年3月~22年6月末までの生育記録
    • 成長まとめと幹の肥大率
    • 3月末
    • 4月末
    • 5月末
    • 6月末
    • 7月末
    • 8月末
    • 9月末
    • 10月末
    • 11月末
    • 12月末
    • 2022年1月末
    • 2月末
    • 3月末
    • 4月末
    • 5月末
    • 6月末
  • 参考

 

続きを読む

ボラ土(日向土、ひゅうが土)を深掘り〜成り立ちから性質まで〜

用土深掘りシリーズ第3弾。今回はボラ土(日向土、ひゅうが土)について。

ボラ土は、研究・調査が進んでいないためか文献が少なかったので、今までとは少し別の視点で深掘りしていこうと思います。

  • ぼら土とは
    • そもそも『ボラ、ボラ層』って?
    • ぼら土が採取されているボラ層を推定
    • ボラ土の化学組成を探る
  • 保水性・排水性
  • pH
  • 保肥力
  •  鹿沼土と日向土のちがい
    • 園芸に係る各性質のちがい
    • 組成のちがい
    • 発泡度合いのちがい
    • 由来火山・火山の性質・噴火時期のちがい
  • まとめ
  • 参考
続きを読む

鹿沼土を深掘り〜成り立ちから性質まで & 酸性の理由〜

基本用土を深掘りシリーズ第 2 弾。今回は鹿沼土です。前回同様、各性質をできるだけ数値で表しています。では、どうぞ。

  • 鹿沼土とは
  • 保水性・排水性
  • pH
    • 実際の測定値
    • 鹿沼土が酸性土の理由
  • 保肥力
  • まとめ
  • 参考
続きを読む

赤玉土を深掘り〜各性質をできる限り数値で表してみた〜

赤玉土を色々調べたので、ここにまとめようと思います。
私自身、出典元を気にしてしまうタチでして。今回は特に、出典元にこだわりました。さらに「〇〇力が高い」、「〇〇性は低い」などの表現は極力避け、できる限り数値で表しました。参考になれば幸いです。

※出典元には畑の土壌について書かれている書籍も含まれています。いわゆる鉢物に当てまらない部分があるかもしれませんが、ご了承ください。

  • 赤玉土とは
  • 保水性・排水性
  • pH
  • 保肥力
  • まとめ
  • 参考
続きを読む

赤玉土 vs 鹿沼土 vs 日向土 ~粒の大きさごとに排水性と保水性を調べてみた~

植物を育てていて、誰しもが考える理想の用土配合。一般的に「赤玉土は保水性が良い」や「日向土は排水性が良い」などと言われますが、具体的にはどの程度なのでしょうか?

理想の配合を見つけるためには、用土の特徴を細かく把握しておく必要があるかと思います。そこで今回は、よく使われる用土の保水性と排水性を調べてみました。

  • 保水性と排水性を定義する 〜保水性と排水性って何?〜
    • 保水性
    • 排水性
  • 実験に用いた用土
  • 各用土の保水性評価
    • 評価手順
    • 結果1 : どれくらいの水量を保持できたか
    • 結果2 : 時間経過で含水量はどう変わるか
  • 各用土の排水性評価
    • 評価手順
    • 結果
  • まとめ
  • 参考
続きを読む

3 COINS のHANGING RACK の紹介 & 自作の植物棚を作成したよという話

家で植物を楽しんでいる方なら誰もが悩むこと、スペース問題。ハマればハマるほど、スペースは無くなっていきますよね。今回は、そんな悩みを解決するため、植物棚を自作した話です。

  • これまでの植物置き場 ~ 3COINS の HANGING RACK ~
  • 自作植物棚への道
    • 試作1号
    • 試作2号 後の正式棚
    • 悲劇は突然起こった
  • 完成!
  • 終わりに
続きを読む

鉢底を温めて Dyckia の脱・こじれ を目指す!& ピタリ適温プラスの加温力を検証

鉢底を温め、Dyckia の「こじれ」状態が回復するかを検証しました。あわせて、温めるために使った「ピタリ適温プラス」がどれくらい加温できるかも調べてみました。

鉢を温めようと思ったきっかけ → Dyckia の「こじれ」状態

Dyckia の葉が谷折りになり、葉先が枯れていく症状、いわゆる「こじれ」状態になってまして。ここしばらく頭を悩ませています。

例えばDyckia 'HU-5 × Bill Baker'

10月から葉が谷折りになり、葉先が枯れていってます。

f:id:BambooBornY:20220213163844j:plain
f:id:BambooBornY:20220213163853j:plain
f:id:BambooBornY:20220213163856j:plain
f:id:BambooBornY:20220213163859j:plain
左から9-11月の生育比較。どんどん葉先の枯れが進行している。

Dyckia brauniiも。

f:id:BambooBornY:20220131181921j:plain
f:id:BambooBornY:20220131181911j:plain
f:id:BambooBornY:20220131181908j:plain
f:id:BambooBornY:20220309003003j:plain
10 - 1 月の生育比較。こちらもどんどん葉が閉じていってます。

 

以下のように原因を仮定し、対策を講じました。

  • 原因1. 高光量
    →LEDの光量を減らす
  • 原因2. 低温
    →平均温度が 20 ℃ の植物棚に移動
  • 原因3. 水やり頻度
    →腰水管理で、用土が常に濡れている状態に

しかし、状況は変わりませんでした。泣

これら以外にできる対策はないかと考え、「植物も用土を温めたらいいのでは?」と思うに至りました。人間にも「頭寒足熱」という言葉がありますし、実際、多くの方が実践されていますよね。今まで効果があるのか半信半疑でしたが、試してみようと思ったのでした。

「ピタリ適温プラス」を使ってみる

というわけで、1年ほど前に購入したものの、今まで出番の少なかった、こちらの商品を使うことにしました。

説明文にはこう書かれています。

爬虫類・両生類・小動物に最適。多重安全装置の付いたケージ内温度を最適に保つ夢のヒーターです。

出典:amazon - ピタリ適温プラス1号

自動的に温度を調節してくれること、電気代が安いことが購入の決め手でした。しかし、思ったほど温まらず、使っていませんでした。^^;

それでも、手元にあるのはこれだけなので、使ってみることにしました。

温度の上昇具合を測定してみた

いい機会なので、具体的に何℃上昇したのかを検証することにしました。

大きく2つの検証をしました。

  1. トレーに張った水がどのくらい温まるか
  2. 鉢内用土がどのくらい温まるか
1. トレーに張った水かどのくらい温まるか

周囲の温度による影響も調べるため、2つの場所で検証しました。

1-1. 室内(室温10℃)
1-2. 植物棚内(棚内の温度20℃)

【1-1. 室内(室温10℃)】

100均で買ったトレーに500ml の水を入れ、加温前後の温度を測定しました。比較用に、無加温のトレーも用意しました。

f:id:BambooBornY:20220221173756j:plain

検証 1-1. の様子。左が無加温、右が加温トレー。

結果は、、、

f:id:BambooBornY:20220306170610p:plain

室内の検証結果

加温したトレーの水は +10 ℃ され、20 ℃ になっていました。

 

【1-2. 植物棚内(棚内の温度20℃)】

植物棚にある、腰水中 Dyckia のトレー内の水温を測定しました。

f:id:BambooBornY:20220221174633j:plain
f:id:BambooBornY:20220221174953j:plain
左:加温前    右:加温して 120 分後

結果は、

f:id:BambooBornY:20220306170543p:plain

植物棚内の検証結果

植物棚内の温度は約 20 ℃ なので、加温前の温度も室内より高かったです。加温後は室内の時と同じく、20 ℃ になっていました。

2. 鉢内用土はどのくらい温まるか

トレー内に水を入れ、その中に

  1. 水を張ったトレー内セラアート3寸
  2. 水を張ったトレー内FR鉢3号
  3. セラアート3寸
    ※ピタリ適温プラスは水濡れ厳禁なので、直置きする際は自己責任でお願いします。

の3条件で温度を測定しました。

f:id:BambooBornY:20220306172754j:plain

検証の様子。3条件で温度を測定した。

用土は赤玉土 小粒 (微粉を取り除き、十分に水を与えたもの)を200ml 使用しました。

測定時は、温度計の緑色の部分が土に埋まるところまで差し込み、5分後の温度を記録しました。

f:id:BambooBornY:20220306173114j:image

測定中の様子。用土に温度計を挿してから、5分後の値を記録。

結果は、、、

f:id:BambooBornY:20220306174217p:plain

鉢内用土の検証結果

直に置いた方が温まるスピードが早かったですが、6 時間後には、どの鉢も約 20 ℃ で頭打ちになりました。また、セラアートとFR鉢で、温度に差はありませんでした。

検証まとめ

 

「ピタリ適温プラス」は
  • 上に置いたものを 20 ℃ 程度まで温めてくれる。
  • プラ鉢の種類はそこまで関係ない。
  • 直に置いたほうが早く温まるが、温度がより高くなるわけではない。

 

ピタリ適温プラス自体は40℃程度になるらしいので、もっと長時間加温すると、もう少し温度が上がるかもしれません。

実際、植物にとって何度くらいまでの加温が最適なのか分からないので、なんとも言えませんが、これくらいでも意味あるかな?

実際に使ってみた!「こじれ」状態はどうなった?

冒頭で話した「こじれ」状態の Dyckia 達にそのまま使ってみました。

2月20日から鉢を加温しました。

f:id:BambooBornY:20220213163859j:plain
f:id:BambooBornY:20220309003027j:plain
Dyckia 'HU-5' × 'Bill Baker'
左:1月末     右:2月末

 

f:id:BambooBornY:20220309003003j:plain
f:id:BambooBornY:20220309003000j:plain
Dyckia braunii
左:1月末     右:2月末

 

うん、明らかに調子いいですね!

1月末よりもさらに低光量の場所に移動したり、メネデールを与えたりしてたので、鉢の温度だけが「こじれ」改善に影響を与えたとは言いきれませんが20 ℃ 程度の鉢加温でも、「こじれ状態」改善の一翼を担っている可能性は十分にありそうです。

まとめ

  • 「ピタリ適温プラス」は鉢・用土を 20 ℃ 程度に加温 & 保温してくれる。
  • 鉢を温めることで、Dyckia の「こじれ状態」を改善できる可能性がある。