先日、久しぶりの晴れで植物を外に出しました。ホームセンターで購入したPachypodium Brevicaule(恵比寿笑い)も他の植物と同じように日光をたっぷり浴びました。(てか、恵比寿笑いが田舎のホームセンターに売ってるなんてすごくないですか?マヂネ申なんですけど)
が、、、、
葉っぱが黄色くなってる!!
グラキリスや恵比寿大黒は一日中外に出していても全く問題なかったので、きっと恵比寿笑いも大丈夫だろう。そんな軽い気持ちで外に出したのが、失敗でした。症状を見る限り、高温でやられたような感じです。(素人なのであってるかどうかわかりませんが、、、、。詳しい人教えてください。泣)
生育環境を見直そうと思い、恵比寿笑いについて調べなおしました。
- 葉が黄色くなった時の生育環境
- 恵比寿笑いはもともとどんなところに住んでいた?
- Pachypodium たちの葉っぱのちがい
- ようすの異なる葉っぱがある?
- まとめと考察 〜今後の生育環境を考える〜
- 参考
葉が黄色くなった時の生育環境
当時の環境を整理してみます。
[先日の外に出した日]
- 最高気温は31℃
- 日に当ててたのは8時〜16時までの8時間。
- あまり雲がなかったので、PPFD値はおそらく1500 μmol m-2 s-1程度。
単純計算で8時間(28800 秒)× 1500 μmol m-2 s-1 = 43200000 m-2 の光を受けていることになる。 - 植物体の大きさは直径4 cm 程度。
- 用土に水はほとんど含まれていなかった。
葉にアントシアニン系の色素は溜まっていないので、強光ストレスを受けたわけではないような気がします。いろいろ考慮すべき点はありますが、やっぱり高温かな?気になったので、自生地の様子を調べることにしました。
恵比寿笑いはもともとどんなところに住んでいた?
まずは現地の様子を調べるところから始めました。私が見つけたのはマダガスカルのビティ山に自生している写真です。興味がある方は参考にブログのタイトルを載せておくので見てみてください。本当に岩の隙間に生えていました。それにしても、よくこんな所で根を張り巡らせることができるなー。
気になる温度ですが、ビティ山から北に約30㎞離れた場所にアンツィラベという場所のデータがあったので参考にしてみます。
[アンツィラベ周辺の環境]
4月〜9月の乾季と、10月〜3月の雨季に分かれていて、乾季の方が涼しいようです。
- 日中の気温・・・ 20~25℃
- 夜の気温・・・7~14℃
- 湿度・・・だいたい65~80%(データの見方がよくわからなかったので、正確ではないかも)
アンツィラベよりもビティ山の方が、標高が高いので、恵比寿笑いが生息しているのはもっと涼しいのかもしれません。
調べてみて納得。なるほど、やっぱり気温は低いんですね。他のパキポディウムについては調べてないので、なんとも言えませんが、同じPachypodium属でも高温耐性に差がありそうです。よく見ると葉っぱにも違いが見られたので、少し整理してみました。
Pachypodium たちの葉っぱのちがい
我が家にいるはグラキリスと恵比寿笑い、恵比寿大黒、伊藤ハイブリッドの4種です。それぞれの葉っぱを比べてみました。
- Gracilius (グラキリス)
葉が細長く、他と比べると色が濃いです。少し硬いイメージ。葉の表面はクチクラ層が発達していて、光沢があります。毛も生えています。 - Brevicaule (恵比寿笑い)
葉は横に広く、4種の中では一番柔らかそうに見えます。葉の表面に光沢はありません。その代わりに毛がたくさん生えています。 - Densicaule (恵比寿大黒)
葉の基部がくさび形をしていて、色が薄めです。葉の表面に光沢があります。 - 伊藤ハイブリッド(デンシフローラム、ホロンベンセ、ロスラツムの三元交配らしいです)
形はグラキリスに少し似ていますが、葉の先端が幅広くなっています。葉の表面に光沢があり、毛はほとんどありません。他の種は表面がわずかにデコボコしていますが、伊藤ハイブリッドにはそのデコボコがあまり見られません。
こうして葉の様子を見ると、恵比寿笑いの葉に光沢がないこと、柔らかそうに見えることが気になります。しばらく観察していると、なんと! 新たなことを発見しました。それは、、、、
ようすの異なる葉っぱがある?
赤で囲んだ葉は毛深く、光沢がありません。しかし、青で囲んだ隣の葉は、毛が少なく光沢があるように見えます。光沢はおそらくクチクラ層でしょう。植物は高温・乾燥状態で体内の水の損失を防ぐ応答としてクチクラ層のワックス沈着を多くするらしいです。ということは、青で囲んだ葉は高温に適応した姿なのかもしれません。
まとめと考察 〜今後の生育環境を考える〜
今回の記事をまとめると、
- 自生地を確認したところ、夏の日本よりも涼しいところで生きていた
- 高温に適応しようと、葉の姿を変えているかもしれない
です。
現環境で行える対策は、
- 遮光シートで日光による温度上昇を防ぐ
- 葉のクチクラ層が発達するまで室内の生育ライトで育てる
の2つしかありません。2番目は生育ライトではクチクラ層が発達しない可能性もありますし、良い策ではないです。しゃーなしで1番の方法様子を見ていくことにします。(そもそも気温が高いとあまり意味がないかもしれませんが、、、、。)
でも、植物により良い環境を提供するために試行錯誤するのも楽しいもんですね。
参考
Web
Married to plant - Mount Ibity, Antsirabe, Madagascar
植物生理学会 – みんなの広場