BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

Nagas hybrid PS#03 を使って Dyckia の生育比較① 〜植物体が小さいと葉焼けしてしまう?〜

今年5月、Dyckia の子株を収穫して、ゆるーく生育比較をしていたところ、
葉焼け耐性に差が見られたので記事にしようと思います。

 

Dyckia の子株で生育比較をスタート

2021年5月に人生初の子株収穫を行いまして。私の初めてを奪った Dyckia は、

Dyckia Nagas hybrid PS#03 です。

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我が家の Dyckia Nagas hybrid PS#03
子株を収穫して 3 ヶ月後の 8 月末に撮影。すでに子株がたくさん。



めっちゃ子株を吹いていて不恰好だったので、見るに耐えかねて収穫してみました。

 

子株は基本的に同じ遺伝情報を持っているはずです。
ちょうどいい機会だなと思い、ゆるーい生育比較を行うことにしました。

 

3つの子株をそれぞれ以下の方針で生育しました。

  • 【PS#03-1】 一番大きい個体  →→→ 植物用 LED のみで生育
  • 【PS#03-2】 札がつい個体 →→→ 養生後、屋外で生育
  • 【PS#03-3】 一番小さい個体 →→→ 養生後、屋外で生育

 

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左から【PS#03-1】,【PS#03-2】,【PS#03-3】

条件が揃っていない部分が多々ありますが、「ゆるーい」比較なので、ご容赦ください。

本記事では、【PS#03-2】と【PS#03-3】の比較について書きます。

8月末、小さい株が葉焼けしてしまった

子株を外してからの生育概要を書いておきます。
具体的な生育記録は記事の最後に記しておきます。

 

5月5日に子株を分けてから、養生管理をしつつ、徐々に光に慣らしながら管理していました。7月末までは、どちらも順調に生育していました。

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6 ~ 13 時で直射日光が当たる場所で管理していた。7/23 撮影。
受け皿がとてつもなく汚いのは見ないでください。>_<

 

8月10日からは、鍛えようと思い、我が家で最大の日光を浴びることのできる場所に移行しました。

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8月10日以降の管理場所の様子。8月20日撮影。

 

8月30日、いつものように植物をながめていると、、、

 

「!?!?」

 

なんと!【PS#03-3】に葉焼けの症状が!


一方、【PS#03-2】に葉焼けしている様子はありませんでした。うーむ。(写真なくてすいません泣)

 

翌日の8月31日から、再び腰水管理に戻しました。

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PS#03-3 の葉焼けを受け、腰水管理に。8月31日撮影。

 

【PS#03-2】と【PS#03-3】を比べてみると、【PS#03-3】がひどく葉焼けしているのがわかります。

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左が【PS#03-2】 右が【PS#03-3】
【PS#03-3】の葉焼けがすんごい。8 月末に撮影。

 

水やり頻度、用土、鉢、温度、光量など全て一緒なので、考えられるのは、

「植物体のサイズで耐えられる光強度は異なる」

ということです。

まぁ、当たり前っちゃ当たり前ですが、

こんなにも違うというのを突きつけられて、びっくりしました( °_° )

 

今回の結果に、もう少し突っ込むなら、

「本葉が 5 枚程度のサイズでは、真夏の直射環境には耐えられない。」

とも推察できます。品種により差があると思いますけどね。

 

さて、次の項では、葉焼けしてしまった経緯を、もう少し細かく考察してみたいと思います。

葉焼けの経緯を考察してみた

植物体が小さいため、過酷な環境耐えられず葉焼けした、というのはわかりました。
でも、どのような経緯で葉焼けしてしまったのでしょうか。

いくつか仮説を立ててみました。

  1. 前日との光量差で葉焼けした
  2. 水が足りず、葉焼けした
  3. 連日の長日受光に耐えられず、徐々に葉焼けした
  4. 高温とのダブルパンチで葉焼けした

一つずつ考えてみたいのですが、その前に当時の環境をおさらいしておきたいと思います。

葉焼けした当時の環境を振り返る

【PS#03-3】が葉焼けしてしまった8月の環境を確認してみます。

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8月の環境。紫色のあみかけ期間に葉焼けした。

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8月の日照時間。建物の影の影響もあるため、その日の天候の参考として考えてください。

8月10日まで

  • 6 ~ 12 時の約 6 時間、日が当たる場所で管理。
  • 腰水にて水やり。

 

8月10日以降

  •  6 ~ 16 時の約 10時間、日が当たる場所で管理。
  • 腰水ではなく、普通に水やり。
  • 8月13 ~ 16日 は大雨のため、室内に移動。
  • 8月12, 17日は日照時間が少ない。 → かなり濃い雲に覆われていた。
  • 20日以降の水やり回数は3回。

 

8月20日まで、【PS#03-3】は順調に生育していたので、8月21日〜8月31日の間に葉焼けしたことになります。

これらのデータを元に仮説を検証していこうと思います。

1. 前日との光量差で葉焼けした

8月10日以降で、かなりの強光だったと思われる日は

10, 18, 19, 20, 26, 27, 30 日 の7日間。

そのうち前日が曇りで、次の日めちゃくちゃ晴れた日、前日との差が激しい日は、

8/18 の1日だけ。

しかもその時点では葉焼けしていません。

この仮説は違いそうですね。

 

2. 水が足りず、葉焼けした

20 日以降の水やり回数は 3 回。これは少なかったかもしれません。

毎日水をあげるべき、もしくは腰水管理を継続させるべきでしたねー。

水が足りないせいで葉焼けしたとは言い切れませんが、もう少し水をあげていたら、結果は変わっていたかもな、と思います。

 

3. 連日の長日受光に耐えられず、徐々に葉焼けした

これも考えられる仮説だと思いますが、、、判定が難しい。

改めて8月20日の写真を見ると、【PS#03-3】はすでに葉焼けしているようにも見えますね、、、。

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もう一度 8月20日撮影の写真。
皆さんは PS#03-3 が葉焼けしていると思いますか?

ただ、今回の観察ではこの仮説が合っているか判断できませんねぇ。

 

4. 高温と強光のダブルパンチで葉焼けした

20日以降で、高温+強光 の日は

8/26, 27 の 2 日間。

27 日に至っては、最高気温が 37.46 ℃ (14:00 の測定値)*1

今まで何度か触れてきましたが、BBY が考える葉焼けの原因は

「高温+強光」です。

そのため、この仮説をどうしても贔屓目に見てしまうのですが、

しっくりくるかなーと思います。

 

ちなみに、10日以前で「高温+強光」の日は、

8/4, 5 の2日間。

この日も相当過酷だったと思うのですが、このときは葉焼けしませんでした。

考えられる要因は「13 時以降に直射日光を浴びせなかったこと」です。

直射日光の当たっている時間帯は、

8月10日以前は 6 ~ 13 時、

8月10日以降は 6 ~ 16 時でした。

その日の最高気温を記録するのは大体 14 時頃なので、

8月10日以前は、一番葉焼けしやすい時間帯を日陰で過ごせていたことになります。

 

以上をふまえると、

「14 時頃の気温が最大になる時間帯は葉焼けの危険が高い。」

と考えられます。もちろん、植物体が大きければ葉焼けの心配は減ると思います。

 

結論とまとめ

Dyckia では、植物サイズに応じて耐えられる光強度が異なる。

本葉が 5 枚程度のサイズでは、真夏の直射環境には耐えられない。

葉焼けの原因は「高温+強光」である可能性が高い。

特に 14 時台の環境は危険。植物体のサイズを考慮する必要がある。

 

5 ~ 7 月の生育記録

詳細はこちら
5月

5月5日に親株から外し、5月23日まで養生管理。
その後は、EnFun LED 120W 下で管理。

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子株を収穫した直後の写真。5月5日撮影。右側真ん中が【PS#03-2】、
右側手前が【PS#03-3。】

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5/23 以降の管理場所。

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5月の生育環境。日付が水色の日に腰水の水を足した。

 

養生管理の環境情報

【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 5 にセット

【ライトとの距離】 鉢から 100 cm、中心から2~3 cm ほどズレた所

【PPFD 値(推定)】 100 μmol m-2s-1

【光照射時間】14時間 / 日

【水やり方法】腰水にて灌水。受け皿に水を足す時に水色の印を記載

【その他】卓上扇風機で送風

 

5/23以降の環境情報

【使用LEDライト】 EnFun LED 120W つまみを 5 にセット

【ライトとの距離】 鉢から 40 cm、中心から2~3 cm ほどズレた所

【PPFD 値(推定)】 1200 μmol m-2s-1

【光照射時間】14時間 / 日

【水やり方法】腰水にて灌水。受け皿に水を足す時に水色の印を記載。

【その他】卓上扇風機で送風

 

6月

5月に引き続き、EnFun LED 120W で生育。

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6月の環境。日付が水色の日に腰水の水を足した。
7月

7月15日までは、6月と同様の環境で管理。
7月16日から、屋外管理に移行。6 ~ 13 時の間、直射日光が当たる場所で管理。

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7月の環境。16日から屋外管理に移行。日付が水色の日に腰水の水を足した。

 

*1:スマートセンサーの設置場所により、多少温度が高く測定されているかもしれません。