BBYの観葉植物 Discussion Note

観葉植物の生育環境や、育てかたについて考えたことを載せるブログです。

植物生育ライトの検討2〜結局どのライトが良いのか〜

前回、植物生育ライトを選ぶにあたってどんな波長が良いのかをBBYなりに考察しました。

今回は具体的にどのライトが良いのかをピックアップしていこうと思います。

 

ちなみに、前回の記事はこちら。

bambooborny.hatenablog.com

 

注意事項

最初に大事なことを一つ。
私はこれから紹介するライト一切を使ったことがありません!泣
いろんな本や論文を読んだ上で、いいライトを選定しただけなのです。。。。。出来るならいろんなライトを試して、その結果をもとに紹介するのが良いのでしょうが、時間とお金がないものでして。それでもいいよって方はこれから紹介する商品を参考にしてみてください。(もしこれから紹介するライトを使っている方がいましたら、使用感を教えていただけると嬉しいです。)

選定条件

  • 商品説明欄にPPFD値、波長分布が記載してある。
  • 緑色光もそこそこ含まれている。(できれば白色に近い光。ピンクの光だと妖艶な雰囲気になってしまうので笑)
  • できるだけPPFD値が高いもの。
  • 理想の分光分布に近いもの。(後述します。)

PPFDについての記事はこちらをどうぞ。

bambooborny.hatenablog.com

 

この選定条件のもと、 amazon にて「植物 LED」で検索し、Hit した商品を片っ端から調べました。が、めっちゃ品数が多い。さすが amazon
頑張ってほぼ全てのライトに目を通し、それらの中から6商品を厳選しました。

BBYが考える理想の分光分布

光は光合成に使われるだけではありません。植物は光の成分によってその姿を変えていきます。
前回の記事にも少し書きましたが、赤色光が多いと新しい葉を作り、赤外線が多いともやしのようにヒョロヒョロになります。
これらの光による形態の変化には、光を感じ取るタンパク質、光受容体が大きく関与しています。
そこで、クロロフィルa、b と主な光受容体の吸光ピークを以下にまとめました。(かなりざっくりまとめてあります。ツッコミはご勘弁ください。泣)
【吸光ピーク】
クロロフィルa ・・・431665 nm
クロロフィルb ・・・470652 nm
クリプトクロム・・・380450nm
フォトトロピン・・・360450nm
フィトクロム(Pr) ・・・666nm
フィトクロム(Pfr) ・・・730nm

これらの吸光ピークを考慮し、BBYの考える理想の分光分布は

ピークが430-470 nm、660-670 nm にあり、600-700 nm の波長が強いもの。

です。(これに関してはいろんな意見があると思います。いろんなご意見、お待ちしています。)

上記の吸光ピークと前回の記事を踏まえた上で、今回は

  • 青色光:赤色光=2:8に近く、緑色の波長も含まれている(フルスペクトル)タイプのライト。(理想の分光分布はこんな感じ↓)

    f:id:BambooBornY:20201022205443p:plain

  • 青色光:赤色光=1:1でライトで、緑色の波長も含まれている(フルスペクトル)タイプのライト。(理想の分光分布はこんな感じ↓)

    f:id:BambooBornY:20201022205405p:plain

 の2つに分けて低価格(5000円以下)と高価格(5000円以上)のものを紹介しようと思います。

青色光:赤色光=2:8に近いタイプのライト

 低価格
  • SINJIAlight 植物生育ライトLED 120W 相当 暖色系

値段:¥2999
PPFD値: 480 μmol m-2s-1 (30cm から照射した場合)

※光量の所にはPAR値が記載されてありました。PARは Photosynthetically Active Radiation の略で、日本語に訳すと光合成有効放射です。PPFDとほぼ同じです。

波長分布:青:赤=2:5  フルスペクトル。

 

PPFD値はこの価格帯の中ではかなり高い部類に入ります。フルスペクトルですし、青:赤の比率も 2:5 とかなりご機嫌です。
ただ、気になるのは赤のピークが600 nm だという事。形態形成に関与するフィトクロムの吸収ピークは約 660 nm です。前回紹介した実験で用いられていた赤色光のピークも660 nm です。このライトの 660 nm の相対強度を見てみると、、、 0.3 !かなり渋い感じ。。。実際は青(450 nm) : 赤(660 nm)=4:3 なので、どちらかというと青:赤=1:1 に近いライトと言えるでしょう。
「低予算でも出来るだけいいものが欲しい。」
「ピンク色の光は避けたい。」
「とにかく高光量が欲しい。」って人向けですかね。

 

 高価格 

値段:¥6869
PPFD値:453 μmol m-2s-1 (30cm から照射した場合)
波長分布:青:赤=2:5 フルスペクトル。 

 掲載されているデータが正しいのなら、完璧な波長です。こんなライトを待ってた!唯一の欠点は、値段の割にPPFD値があまり高くないこと。それを差し引いても美しい波長です。

青色光:赤色光=1:1に近いタイプのライト

低価格
  • Greensindoor 植物育成ライト 150W LED

値段:¥2388
PPFD値:350 μmol m-2s-1 (45 cm から照射した場合)
波長分布:赤:青=1:1 フルスペクトルで緑色の波長も相対強度が0.5

ファンが付いていないので、静かでいいですね。この値段でこの光量は十分多いと思います。

波長分布も緑が少なすぎず、多すぎずって感じがgood!こちらは青のピークが 420 nm 付近、赤のピークが 640 nm 付近に来ています。私の理想とは少しずれていますが、許容範囲内でしょう!

 

  • QLM 植物育成ライト led育苗ライト 40W 75個LED電球

値段:¥2999
PPFD値: 735 μmol m-2s-1 (30cm から照射した場合)

波長分布:青:赤=4:5  赤と青の波長のみ。

青色 LED の波長 460-470nm、赤色 LED の 波長 620-630nm と一番欲しい波長から少しずれているところが絶妙に惜しい!ただ、このライトのすごいところは、PPFD値がこの価格帯でトップの 735 μmol m-2s-1ということ。
「安いものが欲しい。」
「ピンク色の光でも気にしない。」
「とにかく高光量が欲しい。」という人にはありだと思います。

高価格 
  •  ZSHONORLIGH LED植物成長ランプ 植物育成ライト (1000W)

値段:¥8950
PPFD値:1678 μmol m-2s-1 (30cm から照射した場合)
波長分布:青:赤=1:1 フルスペクトル。

 

この商品は10000円を切っているにも関わらず、PPFD値が1678!!フリーザスカウターもぶっ壊れるレベルで高光量です!ただ、気になる点を挙げるなら、赤のピークが 600 nm 付近になっていることです。660 nm 付近の相対強度は 0.5 程度。青:赤=2:1であると言っても過言ではないかもしれません。ちなみに10000円代のライトはこの商品と同じような波長分布のものが多かったです。

  •  Hipargero 800W LED生育ライト

 

値段:¥19880
PPFD値:2000 μmol m-2s-1 (30cm から照射した場合)
波長分布:青:赤=4:5 フルスペクトル。

青:赤=1:1 に近いライトの最高峰。ピーク位置完璧、光量も十分、何ひとつ欠点がありません。自信を持ってオススメします!ただ値段も最高峰。笑
予算が許すのなら、これを買っておけばまず問題ないと思います。
もし私が植物棚を増やしてLEDを買い足すとしたら、このライトを買うと思います。

 BBYが使っているLED

 私は AMATERAS LED 20W を使っています。

植物を育て始めたのが、今年の5月でした。その頃はまだそんなに勉強していなかったので、口コミで評価の高かったこのライトを買いました。
いろいろ勉強した後で改めてこのライトのスペックを見ると、かなり高性能であると感じます。
(波長分布は監修者さんの instagram で見ることができます。)

 
 
 
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 決して安くはないですが、BBYはとても満足しています。

あとがき

色々なライトを紹介しましたが、私は使ったことがないので購入は自己責任でお願いします。m(_ _)m
また、「このライト使って調子良かったよ。」っていうのがあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

参考

【本】

L.テイツ / E.ザイガー テイツザイガー植物生理学(2004)培風館

【Web】
光合成事典 ー クロロフィル類の吸収スペクトル