Pachypodium ‘伊藤ハイブリッド’ の生育記録です。
- Pachypodium ‘ 伊藤ハイブリッド ’ について
- Pachypodium 属の生育方針
- お迎え時〜2021年2月末までの生育記録
- 21年3月~22年6月末までの生育記録
- 成長まとめ
- 振り返り
- 参考
Pachypodium ‘ 伊藤ハイブリッド ’ について
Pachypodium horombense (パキポディウム ホロンベンセ)と
Pachypodium densiflorum(パキポディウム デンシフローラム)、
Pachypodium rosulatum (パキポディウム ロスラーツム)
を掛け合わせた品種だそうです。
「三元交配」と書いてありますね。A種〜C種の3種を例に説明します。
まず、A種とB種を掛け合わせて、A×B種を作ります。その後に、A×B種とC種をかけあわせる。結果的に3種を交配させることだそうです。
さて、伊藤ハイブリッドはどの順番で三元交配を行ったのかは分かりませんが、3種のパキポディウムの血が入っているわけです。
交配に使われている3種の遺伝的な近縁度合いはこのような感じ。
これらを見る限り、horombense と densiflorum はかなり遺伝的に近い種のようです。少し離れたところに rosulatum がいる感じですな。この程度の遺伝的な距離なら、交配可能なんですね!
我が家の伊藤ハイブリッドはなんとなく densiflorum の血が強い感じがします。トゲや幹のようすが densiflorum っぽい。horombense と rosulatum は持っていないので比較はできないですけどね。^^;
特徴
葉の形は基部がくさび形で、先端に向かうにつれ幅が広くなっています。クチクラ層が発達しているのか、表面は光沢があります。
葉の裏はこんな感じで、
まさにキョウチクトウ科といった感じで、葉脈が複雑な模様を作り出しています。表面に比べ、トリコームが発達しているように見えます。
幹はぼってり膨らむというよりかは、まっすぐ大きくなる感じ。P. densiflorumに似てますかね。
トゲは太いです。これもP. densiflorumっぽい。
三元交配なので個体差はあると思いますが、我が家の伊藤さんはこんな感じです。
Pachypodium 属の生育方針
BBYが考えるパキポディウム系の生育方針は
- 高光量で生育する
パキポディウムをぷっくり太らせるには第3弾:〜光強度は高い方が良さそう〜 - BBYの観葉植物 Discussion Note
- 風を当てて、幹の肥大を目指す
パキポディウムをぷっくり太らせるには 第2弾:接触刺激 〜ユガッタゴールデンタッチ〜 - BBYの観葉植物 Discussion Note
- 長日条件で生育する
- 肥料はなるべく与えない
枝分かれを減らすには~腹に括った”1本の枝”にゃ敵わねぇこともある…~ - BBYの観葉植物 Discussion Note
です。上の2つは幹を太くするための方針。 下の2つは基部の枝分かれを防ぐための方針です。
お迎え時〜2021年2月末までの生育記録
2020年 7月ごろ、地元のホームセンターで購入しました。
この頃はかなりの初心者だったので、パキポディウムが田舎のホームセンターに売っていること自体、かなりの驚きでした。笑
かなりお買い得で、パキポディウムに交配品種があることも知らなかったので、見つけた瞬間、レジに持って行きました。
かなりひょろ長いですね。
(見づらい写真で申し訳ない)
お迎えした2020年8月から2021年2月までは、細かい記録を取っていないので、ダイジェストでお送りします。
21年3月~22年6月末までの生育記録
2021年3月から、定点撮影をして1月ごとの様子を撮影しました。気温、湿度も記録を取り、成長度合いと環境の相関があるかを調べられるようにしました。
管理カレンダー
21年3 ~ 9月の間、室内で LED を当てて生育しました。
3月末
4月末
5月末
6月末
7月末
8月末
9月末
成長まとめ
各月の写真をまとめるとこんな感じです。
3月から8月までグングン成長しています。やったぜ!!
8月から休眠スイッチが入ったのか、葉が枯れ始めていますね。そのせいか、9月末はあまり成長していません。
幹の肥大率をグラフにするとこんな感じ。
3月〜8月の見事な成長っぷりがグラフからも伺えます。休眠スイッチが入ったと思われる8月以降は見事に成長していません。
振り返り
しっかりと成長してくれた
あまり上に伸びず、しっかりと太ってくれたので私の生育方針はそこまで間違っていない買ったのかなと思います。AMATERAS LED とパキポディウムは相性が良さそうです。
なぜ8月末から休眠のスイッチが入った?
8月末から休眠のスイッチが入ったのはなぜでしょう。
パッと思いつくのは送風の影響です。
我が家の植物棚は湿度が低くなりがちです。湿度が低いことは植物にとってあまりいいことではありません。マダガスカルにも乾季がありますし、低湿度が休眠スイッチの一端を担っている可能性は十分にあります。
送風することで湿度は下がるし、植物体も冷やされます。このような環境だと、8月末でも休眠してしまうのかもしれません。
参考
Toxicity of the spiny thick- foot Pachypodium(Anurag A. Agrawal et al.,2018)